「除籍」
家族関係に悩みを抱えている人にとっては魅力的な響きを持つ言葉です。
ですが、「除籍」は家族関係の問題を解決する方法ではありません。
除籍は家族と縁を切る制度ではないのです。
すなわち「除籍によって家族との縁を切る」そういう制度ではありません。
では除籍とはどのようなものなのか、少し説明することにします。
除籍は戸籍の一種
「除籍」は「除籍謄本」といい、「戸籍(戸籍謄本)」の一種です。
日ごろ、「戸籍」は様々な手続きで必要とされることが多く、役所の窓口で入手したことがある人も多いと思います。
それに対して「除籍」を日常的な手続きで使用することはありません。
除籍が必要になるのはやや特殊な手続きということができるでしょう。
戸籍
除籍は戸籍の一種なので、まずは基本となる戸籍について説明します。
日本において、人が生まれたら出生届を出すことになります。
出生届を受けて、生まれた人は戸籍に記載されることになります。
そして、基本的には親の戸籍に記載されます(戸籍法49条、18条、13条)。
戸籍法
出典:e-Gov法令検索 戸籍法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000224)
第49条
第1項 出生の届出は、十四日以内(国外で出生があつたときは、三箇月以内)にこれをしなければならない。
第18条
第1項 父母の氏を称する子は、父母の戸籍に入る。
第13条
戸籍には、本籍の外、戸籍内の各人について、左の事項を記載しなければならない。
一 氏名
二 出生の年月日
三 戸籍に入つた原因及び年月日
四 実父母の氏名及び実父母との続柄
五 養子であるときは、養親の氏名及び養親との続柄
六 夫婦については、夫又は妻である旨
七 他の戸籍から入つた者については、その戸籍の表示
八 その他法務省令で定める事項
誰もいなくなった戸籍が除籍
戸籍に追加されるのと反対に、戸籍から抜ける場合があります。
例えば、婚姻届を提出すると(結婚すると)、親の戸籍から抜けることになります。
すなわち、親の戸籍から削除されます。
あるいはまた、亡くなる場合も戸籍から削除されることになります(記載そのものは残ります)。
そして、除籍というのは「誰もいなくなった状態の戸籍」を言います(戸籍法12条)。
死亡するか結婚(婚姻)するなどして人がいなくなった戸籍は、除籍簿に入れられて戸籍簿とは別の管理をされることになります。
言い換えれば、市民が希望して「除籍」することはできないのです。
戸籍法
出典:e-Gov法令検索 戸籍法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000224)
第12条
第1項 一戸籍内の全員をその戸籍から除いたときは、その戸籍は、これを戸籍簿から除いて別につづり、除籍簿として、これを保存する。
除籍が必要な場面
なお、除籍は相続の場面で必要になることがあります。
遺産相続においては、誰が「相続人(遺産を相続する人、遺族など)」なのかを明らかにする必要があります(参照:相続人と相続分)。
そのために「被相続人(遺産のもともとの持ち主、この人が亡くなることで遺産相続が始まる)」の戸籍を集めることになり、戸籍集めの中で除籍を取得することになります。
そのほか、家系図を作成するために系図をさかのぼるときに除籍を取得することになります(参照:家系を調べるために戸籍をたどる)。
家族と縁を切る方法には使えない
以上かんたんに説明したとおり、除籍は家族と縁を切る方法ではありません。
それ以外にも法律上、家族と縁を切る制度はありません(参照:家族と縁を切る方法はある?)。
家族と縁を切ること、あるいは家から追い出すことを「勘当」ということもありますが、除籍はそのための制度ではありません。
あくまでも、戸籍制度の管理上、設けられた制度ということになります。
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