保証人が亡くなると?意外な債務が発覚することも

誰かの保証人になっている人が亡くなるとどうなるのでしょうか。
ここでは、保証人になっていた人の家族に注目して説明します。

もし、亡くなった保証人(この人が「被相続人」になります)に遺族(家族)がいると、遺族の中の相続人が保証人の地位も相続するため、相続人が保証人になります。
つまり、保証人になっていて亡くなった人(被相続人)自身には債務(借金)がなくても、保証人としての責任として、債務の返済義務を負うことがあります。

なお、「被相続人」というのは、この人が亡くなることで遺産相続が行われる人のことで、遺産の持ち主ということになります。
相続人」というのは、被相続人の遺産を相続することになる人のことで、被相続人の配偶者(妻から見た夫、夫から見た妻)や子どもが相続人になります(参照:相続人と相続分)。

保証とは

そもそも、保証というのは、たとえば借金をした本人(債務者)が借金の返済ができないときに、保証人になった人が本人(債務者)に代わって借金の返済をする契約のことです(民法446条)。

民法
(保証人の責任等)
第446条
第1項 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。

出典:e-Gov法令検索 民法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)

したがって、お金を借りた本人(債務者)がきちんと返済をしてくれる限り、保証人が借金の返済をする義務はありません
債務者本人が返済できなくなったときに、保証人にまつわるトラブルが発生するわけです。
なお、保証は契約書を作成しなければ成立しませんから、単なる口約束の場合は保証人にはならず、債務者本人に肩代わりする義務も生じません(民法446条2項)。

民法
(保証人の責任等)
第446条
第2項 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。

出典:e-Gov法令検索 民法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)

3か月以内に相続の手続きをすれば回避できる

被相続人(亡くなった人)が保証人になっていること、保証の内容(返済することになる金額)などが分かっていれば、あらかじめ相続の放棄の手続きをすることによって、相続人が保証人としての地位を相続しない(保証人にならない)ことができます(参照:相続方法は3種類)。
あるいは、限定承認を選択することで、相続財産の範囲での負担にとどめることも可能です。

もし、被相続人本人から自分が保証人になっている旨を聞き知っている場合、被相続人が亡くなってから3ヶ月以内に、放棄ないし限定承認の手続きをします。

3か月以降に保証のことを知ったら

もし、被相続人が保証人になっていることを知らずに3ヶ月経過してしまうと、相続人が保証人としての地位を相続する(保証人になる)ことになります。
つまり、債務者本人が返済できない場合、相続人が保証人として債務の返済を迫られることになります。

悪質な債権者(お金を貸した側)は、相続人(遺族)が相続放棄の手続きをしないように、被相続人が亡くなってから3ヶ月以上経過してから、被相続人が保証人になっていたことを通知することがあります。
原則としては、こういうケースでも3ヶ月が経過しているため、保証人としての地位も相続したことになりますが、裁判をすれば例外的にあらためて相続の手続きをすることを認めてくれる場合もあるようです。
ただし、それは裁判をしてみなければ分かりません。

被相続人本人に確認する

被相続人となる人が誰かの保証人になっているかどうかは、やはり本人に確認する以外にありません。
日ごろから「自分には借金はないから心配ない」と言っているような場合、確かに本人に債務はなくても(借金をしていなくても)、実は誰かの保証人になっているというケースはたくさんあります。
仕事上の付き合いでやむなく保証人になっているようなことは、あえて家族に伝えるようなことではないと考えて、亡くなるまで家族のだれも保証人のことを知らなかった、そのようなケースで保証人の相続が問題になります。

突然の保証債務によって家族が路頭に迷うことを避けるには、自分が遺産を遺す立場の人は、保証人になっていることはしっかり家族に伝えます
相続人になる立場の家族としては、借金の存在のみならず、保証人になっているかどうかを聞き出しておきます
直接聞き出すことができない場合は、日ごろの動向に注目しましょう。
例えば口癖のように「保証人にはなってはいけない」という人は、保証人になっている可能性があります(かつて保証人になってひどい目にあった経験はあるものの、すでに返済は終わっている可能性もあります)。

身元保証は相続しない

同じ保証という言葉がついていても、「身元保証(就職するときに会社と結ぶ契約)」は相続しません
もっとも、だからといって身元保証人になっていることを家族に内緒にしておくのはやめましょう。
身元保証自体は相続とは関係ないとはいっても、被相続人が亡くなる前に会社に損害が発生している場合、その損害賠償の責任は発生しているため、知らずに遺産を相続してしまうと相続人に損害賠償の支払い義務が発生することになります。

なお、身元保証契約というのは、会社に雇われた人が会社に対して与えた損害の賠償を身元保証人になった人が負担するものです(身元保証に関する法律1条)。

身元保証に関する法律
第1条
 引受、保証其ノ他名称ノ如何ヲ問ハズ期間ヲ定メズシテ被用者ノ行為ニ因リ使用者ノ受ケタル損害ヲ賠償スルコトヲ約スル身元保証契約ハ其ノ成立ノ日ヨリ三年間其ノ効力ヲ有ス但シ商工業見習者ノ身元保証契約ニ付テハ之ヲ五年トス

出典:e-Gov法令検索 身元保証ニ関スル法律(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=308AC1000000042_20150801_000000000000000)

迷ったときは

保証人の地位など相続に関して迷ったときは荒江行政書士事務所にご相談ください

相談者の家族関係や財産状況など、事情に応じたアドバイスをいたします。
最善の相続を実現するために、お気軽に連絡してください。

福岡市内を中心に、全国どこでも対応いたします。
対面での面談から、ビデオ会議を利用したオンラインでの面談も可能となっています。
平日は仕事が忙しく面談の時間を設定することができないという場合は、土日祝日の面談にも対応いたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました