退職願と退職届は似ているようで大きく違う:撤回できるのはどっち?

雇用されている会社を辞めたいと思うとき、従業員は会社に対して「退職願」か「退職届」を提出することになるでしょう。
しかし「退職願」と「退職届」は似たような名前ですが、この二つは大きく違います。
違いを理解していないと、思ったような結果が得られないかもしれません。

従業員側から退職を申し入れる

原則的に、従業員(社員、労働者)が会社を辞めようと思えば、従業員の側から会社に対して退職の意思表示をしなければいけません(民法627条1項)。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

出典:e-Gov法令検索 民法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

退職願

退職の意思表示の一つが「退職願」です。
退職願は確かに退職の意思表示なのですが、これは名前のとおり退職したいと「お願い」するものであって、会社がそのお願いを聞き入れてくれなければ、従業員の退職は認められません
つまり、退職願は会社に対して退職のお伺いをたてるものにすぎず、会社の意向によっては退職願の提出後も勤務を継続することになります。
言い換えると、退職願というものは、退職を希望するのは従業員なのに会社に決定権があるという代物ということであり、あくまでも会社側の都合によって設定された手続きということになります。

退職の意思そのものは聞き入れるにしても、退職の時期は会社のほうでコントロールしたいという意向を反映した手続きということもできるでしょう。
したがって、退職の手続きを解説する書籍やウェブサイトで退職願の提出をすすめているものは、会社側の視点で書かれていると考えられます。

退職届

すぐにでも退職をしたいと考える人は、退職願ではなく「退職届の提出を選択するべきです。

退職願が会社の意向に左右される代物なのに対して、退職届は会社に対して一方的に退職の意思を伝えるものです(参照:退職の流れをかんたんにおさらいしましょう)。
法律上(民法627条1項)は、退職届の提出から2週間後に退職すると定められています。
したがって、退職を希望する日の遅くとも2週間前までに会社に退職届を提出します。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

出典:e-Gov法令検索 民法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

退職の意思が固く、会社の意向に関係なく退職したい場合は、退職願の提出ではなく退職届を提出しましょう。

撤回したくなったら?

なお、退職願・退職届を提出した後で退職する気がなくなって、撤回したくなった場合はどうでしょうか。

結論から言うと、退職願は撤回が認められる可能性がありますが、退職届の撤回はできません

退職願は退職の希望を会社に伝えただけなので、退職願の提出後に会社が退職を認める前(従業員本人に退職を了承する旨を伝える前)に従業員が撤回をすると、撤回が認められ、勤務の継続は可能になります。
ただし、会社が退職願を聞き入れて退職を認めていた場合、退職の撤回は認められない可能性があります。

退職届に関しては、提出した段階で退職が成立していますので、あとから撤回をしても会社には応じる義務はありません。
つまり、退職の撤回はできません。
ただし、会社が退職届の撤回を認めてくれれば、勤務を継続することは可能ですが、会社には撤回に応じる義務はありません。

撤回の可否を考えると、気が変わるかもしれない場合には退職届ではなく、退職願を選択すべきということになります。

なお、当荒江行政書士事務所に退職代行をご依頼すると、会社に提出するのは「退職届」となります。
したがって、会社の意向に関係なく退職を成立させることができます。

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