有期雇用と無期雇用:有期雇用契約は更新できる

就職」をしている人は、「雇用契約労働契約と呼ぶこともあります)」を結んでいます。
会社に就職して働いている人は、会社との間で雇用契約を結んでいることになります。
会社に就職してから時間が経っている人はもう忘れているかもしれませんが、採用されたときにサインした書類の中に雇用契約書があったと思われます。
従業員が会社の指揮・命令下で働くのは会社との間で雇用契約を結んでいるからです。
雇用契約によって労働の義務が発生するのです(民法623条)。

雇用
民法第623条
 雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。

雇用契約には「期間に定めがある雇用契約」と「期間の定めのない雇用契約」があります。
そして、期間に定めのある雇用契約を「有期雇用契約」、期間の定めのない雇用契約を「無期雇用契約」といいます。

いわゆる正社員(正規雇用)の場合は、無期雇用にあたります。
パート、アルバイト、契約社員のような非正規雇用の場合が有期雇用にあたります。

有期雇用と無期雇用の大きな違いは、契約期間の違い(有無)です。
有期雇用においては、契約期間が満了したときに契約の更新がなければ、その時点で契約は終了します。
無期雇用では契約の更新の必要はなく、会社から解雇されるか退職するまで雇用されることができます。
正社員として雇用されている(就職している)人は、契約を更新することはありませんから、特に雇用契約を意識したことはないかもしれません。

有期雇用は不安定

有期雇用契約で雇用契約を結んだ場合、雇用期間が満了したときに会社から雇用契約を更新してもらえるかどうかは不確定な状態となります。
そのため、有期雇用は、被用者(労働者)からすれば長期的な展望の描きにくい雇用契約といえます。

ただし、有期雇用の更新を繰り返して、通算で5年以上雇用契約を更新した場合は、労働者側の申込みによって無期雇用契約(期間の定めのない雇用契約)に切り替えることができます労働契約法18条)。
注意したいのが、労働者側から申込みをしないと無期雇用への転換はなされないことです。
会社には労働者に対し無期雇用への転換を申し出る義務はありませんが、会社が労働者側からの無期雇用への転換の申込みを受けた場合には拒否することはできません

有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換
労働契約法第18条第1項
 同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。

有期雇用契約の終了

有期雇用契約は、契約で定めた期間が満了すれば終了します。
同時に、会社は期間の途中で契約を打ち切ること(労働者を解雇すること)はできません(労働契約法17条)。

契約期間中の解雇等
労働契約法第17条第1項
 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

雇止めの予告

有期雇用において、契約期間の満了時に会社が労働契約の更新を希望しない場合、契約期間の満了前に労働者に対して雇止めを予告する必要があります

契約が3回以上更新されている場合、1年を超える期間継続して勤務している場合は、会社が契約を更新しない場合には、契約期間満了の30日前までの予告が必要となります。

雇止めができない場合

ただし、会社側が契約の更新をにおわせていたり、契約の更新を繰り返している場合は、契約を更新せず終了させること(雇止め)が認められず、契約の更新をしなければいけない場合があります(労働契約法19条)。

有期労働契約の更新等
労働契約法第19条
 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。
第1号
 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
第2号
 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

労働者は期間の途中でも会社を辞められる

なお、会社は契約期間の途中に従業員(労働者)を解雇することはできませんが、従業員の側からは期間の途中でも会社を退職(参照:有期雇用の退職についてすることは可能です(民法628条)。

やむを得ない事由による雇用の解除
民法第628条
 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

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