「尊厳死」とは、「回復の見込みのない末期状態の患者に対して、生命維持治療を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせること」と定義(参照:日本公証人連合会「「尊厳死宣言公正証書」について、説明してください。」)されています。
延命措置の発達によって、回復の見込みのない病状に陥っても、生命維持を続ける限り延命させることが可能になっています。
しかし、患者本人の意識が回復する可能性のない状態で延命させること、あるいは延命させられることを望まない人の意思を尊重するために、尊厳死が認められる場合があります。
尊厳死について定める法律はありませんが、運用上、患者本人の意思を表明する書面を作成することによって、尊厳死を実現することが可能になっています。
尊厳死宣言書を作成する
一般的に「尊厳死宣言書」と呼ばれる書面を作成することによって、尊厳死を実現することになります。
尊厳死宣言書は本人の意思によって作成されなければならず、より確実な実現のために「公正証書(注)」として作成します。
また、尊厳死宣言書をただ作るだけでなく、治療に当たっている医療関係者に対して、尊厳死を望む意思を伝えておくことも重要です。
ただし、尊厳死宣言書があっても、医療関係者には宣言書の内容に従う義務はありません。
そのため、尊厳死の希望が実現されるかどうかは確実ではありません。
もっとも、実態としては、ほぼすべてのケースで尊厳死の意思は実現されるようです。
(注)公正証書とは、「私人(個人又は会社その他の法人)からの嘱託により、公証人がその権限に基づいて作成する文書」のことです(参照:法務省「公証制度について」)。
公正証書は、公証人だけが作成することができます。
公証人とは、「国家公務員法上の公務員ではありませんが、公証人法の規定により、判事、検事、法務事務官などを長く務めた法律実務の経験豊かな者の中から法務大臣が任免し、国の公務をつかさどるもの」です。
公証人に公正証書を作成してもらうには、全国各地に設置してある公証役場に出向く必要があります。
したがって、尊厳死宣言書を公正証書として作成するには、公証人に作成してもらうことになります。
家族にも意思を伝えておく
尊厳死は本人の意思で希望しなければいけませんが、尊厳死を実現する場面では本人は意識のない状態になっており、実際に尊厳死を実現することになるのは医療関係者および家族となります。
そのため、家族には自分が尊厳死を希望することをあらかじめ伝えておく必要があります。
尊厳死は家族にとってもつらい決断となりますから、家族にはしっかりと意思を伝えておきましょう。
なお、エンディングノートなどに自分の治療方針の希望を記載することもできますが(参照:エンディングノートは終活の第一歩)、尊厳死に関する希望については「尊厳死宣言書」として、きちんとした形で尊厳死の希望を表明します。
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