家族が争う遺産の金額は? 裁判所の統計から

遺産をめぐって家族が争う(家族間の相続にまつわる争い、ということで「争族(そうぞく)」と呼んだりします)とはよく聞く話ですが、実際のところ、年間でどのくらいの件数が相続でもめているのでしょうか。

ここでは、裁判所が公開している統計(司法統計)から、裁判所に持ち込まれた件数を参照していきます。

裁判所で争われる相続の件数

令和元年度、裁判所で争われた遺産相続事件を金額で分類したものを紹介します。
裁判になるほどもつれる遺産相続のイメージとしては、億単位のお金が絡んだ相続でしょうか。
本当のところはどうなのか、実際の数字を見て確認してみましょう。

金額件数割合(%)
1000万円以下244833.89
5000万円以下309742.87
1億円以下78010.80
5億円以下4906.78
5億円を超える420.58
算定不能・不詳3675.08
総数7224
家事令和元年度 52 遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く) 遺産の内容別遺産の価額別 全家庭裁判所 より

表から分かること

令和元年度、裁判所に持ち込まれた遺産分割の事件の総数は、7,224件。
事件の中で最も多い金額は、5,000万円以下(1,000万円から5,000万円)の金額をめぐる争いで3,097件。
全体の中の割合では、約43パーセントを占めています。
続いて多い金額は1,000万円以下の2,448件で全体の約34パーセントとなっています。

5,000万円以上(表では「1億円以下」から下)となると、全体の20パーセント程度ということで、また、億単位の金額をめぐる争い(表では「5億円以下」から下)となると、約11パーセントしかないということが分かります。

すなわち、5,000万円以下と1,000万円以下の数字を足した数字、5,545件、割合としては約77パーセントが5,000万円以下の金額をめぐる争いということが分かります。

世間の耳目を集める遺産相続事件となると、億単位の相続ばかりなので、家族が相続でもめるのは億単位の遺産を遺したケースだけと考えがちですが、実際には、5,000万円以下の金額の遺産をめぐって家族が相続でもめるケースがほとんど(約76パーセント)なのです。

意外と身近に潜む遺産相続の争い

1億円以上の遺産と言われると、自分とは縁遠い話に思えるかもしれませんが、遺産総額が1,000万円から5,000万円となると、該当する人も多いのではないでしょうか。
例えば、住宅をお持ちの方は、自宅の土地と建物の価格を計算してみると、1,000万円から5,000万円くらいではありませんか。
実際に、裁判所に持ち込まれる遺産分割の事件の約半数が1,000万円から5,000万円の金額となっています。
また、1,000万円以下の相続でも約34パーセントということに照らし合わせると、自分の遺産はそんなにないから問題ない、と楽観視できなくなるのではないでしょうか。

遺言書を作って争族を回避する

残される家族のために良かれと思って遺した遺産が、逆に家族を不幸にするというのは皮肉なことです。
日ごろ、仲の良い家族でも、いきなり関係が破綻してしまうのが遺産相続なのです。

そこで、遺言書(遺言)を作成することで、家族間の争いを未然に防ぐことができるかもしれません。
遺言で遺産の分け方を指定して、遺産の分け方をめぐって家族が争うことを回避しましょう(参照:遺言書には3つの種類)。
遺言の作成は、家族に示せる最後の愛情です。

相続に関するご相談は

どういう遺言書(遺言)を作ればいいのか迷ったときは荒江行政書士事務所にご相談ください。

相談者の家族関係や財産状況など、事情に応じたアドバイスをいたします。
最善の相続を実現するために、お気軽に連絡してください。

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