遺産の分け方は相続人全員の話し合いで決める

ある人が亡くなると、遺産相続が開始します。
亡くなった人(被相続人)が遺言書(遺言)を遺していても遺していなくても、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で遺産の分け方を決めることができます(民法907条)。
遺言書があれば、その記載内容(参照:遺言書に記載すること)に従った遺産分割をするのが原則ですが、相続人全員に遺言書の記載に従う意思がなければ、遺産分割協議を行って相続人の望む遺産分割を実現することができるのです(参照:遺言書の内容が気に入らないときは相続人全員で話し合う)。

遺産の分割の協議又は審判等
民法第907条第1項
 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

もし、遺言書がなく、相続人が遺産分割協議も行わなければ、法律の定めに従った遺産分割をすることになります(民法900条、参照:遺言書がない場合の相続はどうなるの?)。

法定相続分
民法第900条
 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

遺産分割協議は全員一致で

相続人による遺産分割の内容(遺産分割協議)は、全員一致で決めなければいけません
一人でも遺産分割協議の内容に反対の場合、遺産分割協議は成立しません。
また、話し合いの場には全員が参加していなければならず、一人でも欠席していれば、その場で行われた遺産分割協議は成立しません(注)。

(注)「相続人の全員が参加」というのは「一堂に会する」という意味ではなく、電話や郵便、メールのやり取りでも構いません。

遺産分割協議が成立しない場合

遺産分割協議に一人でも反対する人がいた場合、遺産分割協議は成立しません。
遺産分割協議が成立しなければ、原則に戻って、法律の定めに従って相続分が決まることになります(法定相続、民法900条)。
そもそも遺産分割協議をしない場合も、法定相続が行われることになります。

法定相続では、すべての遺産(相続財産)を法律に定められた割合で分割することになります。
現金や銀行預金、土地・建物(不動産)など、財産の種類を問わずに割合で相続することになります。
したがって、遺産のすべてが現金の場合は問題はないのですが、それ以外のものの場合は、結局は誰が何を相続するのかを決める必要が出てきます(遺産の数と金額が、相続人の人数と相続分に一致する可能性は低いでしょう)。
もちろん、土地や建物などの遺産を現金化して分割することも考えられます。

話し合いがまとまらなければ裁判所に持ち込む

遺産分割協議の話し合いがまとまらなければ、裁判所に遺産分割を申し立てることになります(民法907条)。

遺産の分割の協議又は審判等
民法第907条第2項
 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。

なお、裁判所に話を持ち込んだ時点で、相続人の関係は破綻しています。
一般的に「相続でもめる」というのは、ここまで話がもつれたケースです。
いわゆる「争続(そうぞく)」といわれるのは、裁判所に話を持ち込まなければいけないほど、当事者の関係がこじれている状態です。
ここまでくると、もはや相続人(家族)間の関係の修復は不可能で、被相続人(亡くなった人)からすれば、自分の死をきっかけに家族が崩壊するという悲劇が起こることになります。

遺言書があれば破滅を回避できる

もし、被相続人が遺言書(参照:遺言書には3つの種類)を遺していれば、遺産分割のもつれからの家族の破綻を回避することができます。
ただし、遺言書を作成していても、特定の相続人だけ多額の財産を相続をするようにしていたり、その反対に特定の相続人だけ少額の財産しか相続しないように定めていると、各相続人間に不満が生じる恐れは否定できません。
そのため、各相続人の関係などを考慮した相続方法を記載しましょう。
もちろん、全員が完全に納得する相続方法の定め方というのは難しいので、ある程度のところまで配慮したら、多少の不平等には目をつぶる必要も出てきます。
それでも、遺言書を作成することによって、相続方法を定めることで相続人の話し合いに方向性を与えるという効果が期待できます。

相続に関するご相談は

どういう遺言書(遺言)を作ればいいのか、どういう遺産分割協議をすればいいのか迷ったときは荒江行政書士事務所にご相談ください。

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