遺贈を受け取りたくない人はどうすればいい?遺贈は放棄できる?

遺言書遺言)」を作成すれば、相続人(遺族)以外の人に遺産を譲ることができます
相続人以外の人に遺産を譲ることを「遺贈」といいますが、遺贈を受け取る側の人からすれば、「気持ちはうれしいが、自分には必要ない」ということもあるでしょう。
もし、遺贈された財産が自分には必要ない、遺贈を受け取りたくないという場合は、どうすればいいのでしょうか。

なお、遺贈をするには、遺言書を作成して遺贈する旨を明記(参照:遺言書に記載すること)しなければいけません。

遺贈は受け取りを断ることができる

ある人が亡くなって(亡くなって財産を遺す人のことを被相続人といいます)、遺贈されることになった人は、そのまま遺贈を受け取ることも、反対に遺贈を受け取ることを断ることもできます
遺贈を断ることを「遺贈の放棄」と言います。
ただし、遺贈には種類があって(民法964条)、その種類によって、放棄の手続きが異なります。
具体的には、「包括遺贈」と「特定遺贈」の二種類あります。

(包括遺贈及び特定遺贈)
第964条
 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。

出典:e-Gov法令検索 民法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)

包括遺贈の放棄

まずは「包括遺贈」についてみていきましょう。
包括遺贈というのは、財産の種類を特定せずに遺産の一部(もしくは全部)を遺贈するものです。
具体的には、「何々さんに財産の2分の1を遺贈する」「全財産を遺贈する」などと遺言書に記載することになります。
包括遺贈では、割合で財産を譲ることになりますから、現金や不動産などのプラスの財産と同時に、債務(借金など)のマイナスの財産も譲ることになります。

遺贈の受取人に指定された人(「受遺者」といいます)は、他の相続人との関係や遺産の種類(例えば被相続人に多額の借金がある、など)を理由に遺贈を断ろうと考えることもあるかと思います。
その場合は、遺贈を放棄することによって、遺贈のすべてを受け取らないことができます。
包括遺贈の放棄をするには、家庭裁判所での放棄の手続きが必要です(民法938条)。
手続きとしては、相続人の相続放棄の手続きと同じような手続きとなっています(参照:相続方法は3種類)。

(相続の放棄の方式)
第938条
 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

出典:e-Gov法令検索 民法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)

特定遺贈の放棄

次に「特定遺贈」についてみていきます。
特定遺贈というのは、財産を特定してする遺贈のことです。
具体的には、「自慢のコレクションを同好の士の何々さんに遺贈する」「現金○○○万円を慈善団体に遺贈する」などと遺言書に記載することになります。

特定遺贈の場合も、そのまま受け取ることもできますし、受け取らずに放棄することもできます(遺贈の一部だけ受け取ることも可能です)。
特定遺贈の放棄は、包括遺贈と違って、家庭裁判所での手続きは必要ありません(民法986条)。
遺贈を受け取りたくない場合は、いつでも放棄をすることができます。
放棄の意思は、相続人に対して伝えます

(遺贈の放棄)
第986条
第1項
 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
第2項
 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

出典:e-Gov法令検索 民法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)

一方的な遺贈は避ける

遺贈をするかどうかは遺産の持ち主である被相続人の意思で自由に決められます
しかし、遺贈を受け取るかどうかは遺贈の受取人に指定した相手(受遺者)次第ですから、一方的な遺贈をすることは控えたほうがいいかもしれません。
せっかく遺言書を作成して、自分の希望どおりの遺産相続を目指すのですから、実現されない可能性はできる限り減らすべきといえます。

したがって、遺贈をしようと考える人は、遺言書で一方的に遺贈をするのではなく、あらかじめ受遺者に対し遺贈をする意思を伝えておくといいでしょう。
突然の遺贈は有難迷惑となってしまう恐れもあります。
とくに、先祖代々の土地を遺贈するようなことはよくよく考えて行うべきと言えます。
終活の一環として、あらかじめ遺贈する意思を伝え、相手(受遺者)の希望を確認しておきましょう。

同時に、相続人(家族のこと、参照:相続人と相続分)に対しても、自分が遺贈を行う旨をあらかじめ伝えておいて納得してもらう努力は行うべきでしょう。

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