いまは業績が順調な会社であっても、いつなんどき業績が悪化するか分かりません。
業績悪化を理由として、従業員に「希望退職」を募る会社もあるでしょう。
コロナ禍のようなことがいつ起こるか分かりません。
業績が悪化してしまえば、大企業の正社員であっても安泰ではありません。
むしろ、大企業でも高給取りの人ほど希望退職の候補に挙がってしまいます。
希望退職は解雇とは違う
希望退職は、会社が従業員(労働者、社員)の自発的な退職を促すものであって、「解雇(労働契約法16条、参照:解雇について)」とは違います。
そのため、従業員としては、会社が希望退職の募集を行っても退職に応じる必要はありません。
(解雇)
労働契約法第16条
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
なお、会社が従業員の自発的な退職を促す手段としては、「退職勧奨(参照:退職勧奨とは?)」もあります。
希望退職と退職勧奨の違いは、希望退職は不特定の社員に対するもの、退職勧奨は特定の社員に対するものという点にあります。
退職金などの優遇あり
会社が従業員に対して希望退職の募集を行う際には、自主的な退職や定年退職等、通常の退職と違って、退職金の上乗せなどの優遇策を用意している場合があります。
また、退職理由が通常の退職では「自己都合退職」となるところ、希望退職の際は「会社都合退職」となります。
つまり、希望退職に応じて退職すれば、雇用保険の受給上有利な扱いを受けることができます。
従う必要はない
希望退職には解雇のような強制力はないため、従業員本人が退職したくなければ希望退職に応じる必要はありません。
ただし、会社が希望退職を募集した理由が業績悪化などの経営状況を反映したものである場合、希望退職に応じず会社に残る選択をすることが正解かどうかは分かりません。
そのまま業績が回復せず、会社が倒産してしまう可能性もあります。
つまり、会社が希望退職の募集を行った際、すぐに「次の仕事」を見つけられる自信のある優秀な従業員ほど、会社に見切りをつけて転職したほうが結果的にはプラスになることもあり得ます(同時に、会社からすれば希望退職によって一時的な業績の回復に成功したとしても、会社が優秀な人材を失い再建が困難になる危険も含みます)。
また、希望退職に応じる従業員が少ない場合、退職勧奨といった、より積極的な「人員整理(参照:会社から退職をほのめかされたら?)」に着手する可能性もあります。
そして、希望退職(退職勧奨)に応じる社員数が計画に満たない場合は、会社が解雇を選択する可能性があります。
残るほうがいいのか退職したほうがいいのかよく考える
希望退職に応じるも応じないも従業員自身の判断にゆだねられています。
会社の業績が回復することを信じられるなら、希望退職に応じずに会社に残ってがんばって働くのもいいでしょう。
また、会社の今後の見通しが人員整理をした程度では改善しないと思うなら、希望退職の募集に応じて有利な条件で退職するのもいいでしょう。
希望退職は強制ではないため、会社が希望退職を募ったとしても慌てることはありません。
しかし、希望退職に募集期間を設けている場合、ゆっくり考えている時間がないかもしれません。
従業員側としては、難しい判断を迫られることになります。
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