「有給休暇」は会社から給料の支払いを受けられる休暇のことです(労働基準法39条9項)。
(年次有給休暇)
労働基準法第39条
第9項
使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇の期間又は第四項の規定による有給休暇の時間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間又はその時間について、それぞれ、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十条第一項に規定する標準報酬月額の三十分の一に相当する金額(その金額に、五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。)又は当該金額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。
有給休暇の取得は労働者の権利です。
6か月以上継続勤務をした労働者は「年次有給休暇」を取得します(労働基準法39条1項、参照:有給休暇を取得できる条件)。
以後、1年が経過するごとに新たに有給休暇(有休、年休、有給などと言われることがあります)を取得することができます。
また、取得した有休は翌年に繰り越すこともできますが、有休には時効があり、2年以上経過すると、時効によって消滅してしまいます(労働基準法115条)。
つまり、取得した有休は2年以内に消化しないと、使っていないにも関わらず使えなくなってしまいます。
したがって、取得した有休は可能な限り、その年のうちに使い切るべきと言えるでしょう。
(年次有給休暇)
労働基準法第39条第1項
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
(時効)
労働基準法第115条
この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。
年5日の取得が義務化
有給休暇に関しては、会社は年に5日は従業員に有休を与えなければいけません(労働基準法39条)。
従業員の側から見れば、年5日は最低でも有休を取得できることになります。
(年次有給休暇)
労働基準法第39条第7項
使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下この項において同じ。)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。ただし、第一項から第三項までの規定による有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えることとしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
有休を取得する際には、会社には「時季変更権」があり、有休の取得を会社にとって都合の悪い時期から、比較的都合のつく時期への変更ができます。
時季変更権は、最低与えなければいけない5日分に関しても行使できます。
ただし、会社が時季変更権を行使できるといっても、従業員の有休の取得そのものを拒否できるわけではなく、日付の変更だけが可能にとどまります(参照:有給休暇を取得できる条件)。
しかも、人繰りが難しい、などの理由では会社の時季変更権は認められません。
有休の買取
年5日の有休は取得できても、残りの有休の取得が難しいケースも考えられます。
有休は毎年新しく取得していきますから、毎年5日分の行使では余ってしまいます。
翌年以降に繰り越せるというものの、それも2年以内に限ります(時効により消滅します)。
そのため、残ってしまった有休が無駄にならないように、有休の買取制度を用意している会社もあります(えてして従業員が有休を取りづらい会社に買取制度がありがちです)。
ただし、有休の買取は義務ではありませんから、会社に買取を請求しても拒否されればそれまでです。
一方、会社のほうから有休の取得を認めない代わりに有休の買取を要求することもできません。
有休の買取は、「就業規則」、「雇用契約書」などで定めていなければ、会社には応じる義務はありません。
従業員側が、退職時に余った有休の買取を会社に要求しても、買取に応じてもらえない可能性があります。
したがって、在職中にきちんと有休を使い切るか、残有給日数に応じた退職日を設定するかしなければ、せっかくの有休が無駄になってしまいます。
有休は最大で20日になりますから、それを一日も使わずに翌年以降に繰り越すと、翌年は20日+20日(計40日間)となりますが、3年目には60日にはならず40日分にしかなりません(古いほうの20日が時効にかかる)。
時効によって1年目の20日分の有休が消滅してしまうのです。
ただし、会社は従業員に対し、最低でも年に5日は有給を取得させなければいけませんから、時効で消滅するのは15日分ということになるでしょう。
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