偽装結婚と偽装離婚

偽装結婚」と「偽装離婚」。
読んで字のごとく、結婚(離婚)するつもりがないのに結婚(離婚)することです。
まともな人なら一生かかわりのないことで、頻繁にあるわけでもありませんが、たまにニュースになることがあります。

  • 偽装結婚:結婚するつもりがないのに役所に婚姻届を提出する
  • 偽装離婚:離婚するつもりがないのに役所に離婚届を提出する

偽装結婚と偽装結婚のいずれでも、当事者には本当に結婚(離婚)する意思はありません。
どちらも本当は結婚(離婚)するつもりがないのに、結婚(離婚)を役所に届け出ることでは共通しているのですが、実際の取り扱いとしては、偽装結婚は無効となりますが、偽装離婚は有効とされる点で両者には違いがあります。

偽装結婚には婚姻の意思がない

偽装結婚が無効(結婚として認められない)になるのは、当事者に本当に結婚(婚姻)する意思がないと判断されるからです。

しかし、偽装離婚の場合、当事者には離婚する意思があるとして有効になる(離婚できる)のです。
どうして偽装結婚と偽装離婚の取り扱いに違いがあるのでしょうか。
それを明らかにするために、偽装結婚(離婚)の目的について説明していきます。

なぜ偽装するのか

偽装結婚も偽装離婚も、たいていの場合、当事者には不正な目的があります。
偽装結婚の場合は、外国人が日本人と形式的に結婚することで、日本での在留資格を得るために利用されることが多いようです。
偽装離婚の場合は、生活保護の不正受給や財産隠しなどに利用されることが多いようです。
そして、結婚(離婚)する意思がないにも関わらず、婚姻届(離婚届)を提出したということで、どちらも「公正証書原本不実記載等罪刑法157条)」などの犯罪として処罰される可能性があります。
懲役もあるかなり重い犯罪といえます。

公正証書原本不実記載等
刑法第157条
第1項 公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第2項 公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札又は旅券に不実の記載をさせた者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
第3項 前2項の罪の未遂は、罰する。

しかし、結婚(離婚)の有効性に関しては、偽装結婚は無効、偽装離婚は有効とされており、不思議な感じがします。

一応の説明としては、偽装結婚には(不正の目的のためであっても)結婚する意思はないが、偽装離婚には(不正の目的を実現するために)離婚する意思があると判断されるからということにはなっています。
ですが、当職はこの説明では釈然とせず、学生時代以来、この扱いの違いに納得がいかない、理解ができないでいます。
したがって、これ以上の説明は致しません。

不正な目的に結婚・離婚を利用してはいけません

当職の意思とかかわりなく、実際の運用では偽装結婚は無効、偽装離婚は有効とされています。
先述のように、その結婚や離婚に不正の目的アリと判断されれば、刑罰を科されることもあります。
荒江行政書士事務所では、偽装結婚も偽装離婚のいずれであっても、その実現のための手続きを請け負うことはありません。

くれぐれも、結婚をする場合には真に夫婦になる意思を持って、離婚する際も健全な(?)理由で離婚するようにしてください(注)。

(注)結婚については「結婚の効果」、離婚については「離婚するための手続きは3種類」を参照してください。

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