遺言書に記載すること・できること

遺言書(遺言)に書くことによって、法的な効力を持つことになる項目は限られています。
それを「遺言事項」といいます。
遺言書と似て非なるものにエンディングノートがありますが(参照:エンディングノートは終活の第一歩)、エンディングノートではなにを書いてもよいのに対して、遺言書の場合、書くべき内容が決まっていることに注意しましょう。
もっとも、遺言事項以外のことを記載しても遺言全体が無効になることはありませんが、遺言書が基本的に手書きであることを考えると、遺言書に記載する内容は最低限度の内容にとどめるほうが手間がかかりません。
ただし、家族へのメッセージなどを「付言事項」として遺言書の末尾に記載することは広く行われています。

なお、手書きで作成しなければいけないのは自筆証書遺言に限られ、遺言書を公正証書(公正証書遺言)として作成すれば手書きの必要はありません(参照:遺言書には3つの種類)。

遺言事項

遺言書に記載する内容である遺言事項は、基本的には財産に関することですが、それ以外のことも含まれています。
具体的には以下に掲げる項目となっています。

なお、条文番号のみを記載している場合は、「民法」の条文です。

財産に関する事項

相続分の指定:902条
相続人の廃除:893条
相続人の廃除の取り消し:894条
遺産分割方法の指定・遺産分割の禁止:908条
特別受益の持ち戻しの免除:903条3項
共同相続人間の担保責任の定め:914条
遺贈:964条
配偶者居住権の遺贈:1028条
信託:信託法3条2号
生命保険金の受取人の変更:保険法44条1項
一般財団法人の設立:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律152条2項

それ以外の事項

祭祀主催者の指定:897条
遺言執行者の指定・指定の委託:1006条
認知:781条
未成年後見人の指定:839条
未成年後見監督人の指定:848条

遺言事項は広範囲に及ぶ

遺言事項は財産に関する内容が中心といっても、かなり広範囲の内容を定めることができます。
もちろん、上記遺言事項のすべてについて遺言に記載しなければいけないというものではなく、記載しなければ法律の定めに従うか、相続人(家族)が話し合って決めることになります。
ただ、自分に必要な遺言事項を記載しておくことで、家族を迷わせる恐れを減らせることができます。

遺言書を作成すべきかどうかは、財産の多寡とは関係ありません。
家族を迷わせないために、一度遺言の作成を考えてみるのもいいでしょう。

付言事項で想いを伝える

遺言書に書くと法的な意味を持つ内容はここまでに説明した遺言事項(財産などに関すること)に限られますが、そのほかにどうしても遺言書で家族にメッセージを伝えた場合は、「付言事項」として遺言書の末尾に追記します。

一般的に付言事項として記載される内容は以下のような項目となります。
付言事項に関して法律上の定め・制限はありませんから、以下で紹介するのはあくまでも一例です。
そのほか書きたいことがあれば、どんなことでも記載して構いません。
ただし、何を記載してもいいのですが、遺族は付言事項の内容に従う義務はありません。

  • 家族へのメッセージ(これまでの感謝、謝罪など)
  • なぜ遺言書に記載したような遺産分割を希望するのか、その理由
  • 自分の葬儀・葬祭、埋葬方法、今後の法要の希望
  • 会社を経営している方・自営業の方なら、今後の経営指針など

なお、葬儀・葬祭の希望に関しては、遺言書が開封されるのが葬儀が終了してからのことが多いため、遺言書に記載しても葬儀の希望が実現される可能性は低いと言えます。
本人の希望と違う葬儀をしてしまったという後悔を家族に残すことになります。
むしろ、付言事項で葬儀の希望を書かない方がよかった、ということにもなりかねません。

ただし、三回忌や七回忌など、今後の法要についての希望なら意味はあります。
もし、自分の葬儀について家族に伝えたいと希望するなら、エンディングノートを別途用意して、そちらに記載するとよいでしょう。
エンディングノートの存在、あるいは自分の希望についてあらかじめ家族に伝えておくと、自分の希望どおりに実行してもらえる可能性が高まります。

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