二人以上の共同名義の遺言はできない:遺言書は一人につき一通

遺言(遺言書)を作ろうと考えている人の中には、共同名義で遺言書を遺したい(複数の人で一つの遺言書を作成する)と希望する人もいるかもしれません。
たとえば、子どものために、夫婦で一つの遺言書を作成しようと話し合っている方がいるかもしれません。
しかし、遺言書は、共同名義で作成することはできません

共同名義の遺言は無効になってしまいます。
遺言書を作成するときには、ひとりにつき一通でなければいけません(参照:遺言書には3つの種類)。
すなわち、夫婦で遺言書を作成しようというときには、それぞれ(夫と妻とで別々)の遺言書を作成しないといけないのです。

共同遺言の禁止

法律上、遺言書は単独名義で作成しなければならず、二人以上での共同名義での遺言の作成は禁止されています(民法975条)。

民法
(共同遺言の禁止)
第975条
 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。
出典:e-Gov法令検索 民法(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089)

夫婦で遺言を作成したいと思っても、遺言は一人につき一通ずつ、すなわち、夫・妻それぞれ一通ずつ別々の遺言を作成しないといけません。
その際は、配偶者(結婚相手、夫から見た妻、妻から見た夫)に対する相続についての記載(配偶者が先に亡くなっている場合の相続方法)が必要となるでしょう。

共同で作成したいときはエンディングノートの活用を

もし、どうしても誰かと共同で遺言を遺したいと思う場合は、遺言書としてではなく、エンディングノートとして作成するというのはいかがでしょうか(参照:エンディングノートは終活の第一歩)。
エンディングノートには法的な効力はなく、形式も自由となっており、共同名義のエンディングノートを作成することも可能なのです。
それに対して、遺言には法的な効力がある分、形式が決まっており、自由に作成することはできません。

みんなの意見をまとめるのは大変です

ただし、エンディングノートなら共同名義でも作成できるといっても、共同で作成するというのは、内容に関して当事者の話し合いが必要で、どのような内容を記載するかに関して意見をまとめる作業が必要になります。
最悪なケースを想定すると、なにを書くかに関していつまでも話し合いがまとまらず、結局いつまで経ってもエンディングノートが完成せず、そうこうしているうちにその日が来てしまった、ということも起こりえます。
そのような可能性を考慮するなら、共同でエンディングノートを作成するにしても、それぞれが独自に作成したものを最後にまとめる形式で作成すると、いつまでも完成しないという問題を回避できます。

遺言書もエンディングノートも完成させることが肝要です。
作成した後の内容の修正は、いつでも何度でも可能です。
したがって、ひとまず完成させることを優先してください。

遺言書に関するご相談は

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